【準備中】 野ばらメドレー (シューベルト&ウェルナー)
●マンドリン合奏版
ゲーテの名詩に寄せられた二つの「野ばら」をメドレーで。シューベルトの瑞々しく跳ねるような調べから、ウェルナーの心温まる親しみやすい旋律へ。マンドリンの繊細な音色が、時代を超えて愛される名曲を繋ぎます。
●演奏時間 約4分
●編成
1st Mandolin / 2nd Mandolin / Mandola / Mandocello / Mandolone / Contrabass / Guitar
●作曲者 シューベルト(1797~s1828)、ウェルナー(1800~1833)
●編曲者 森安浩司
●難易度 ★
●紹介文
ひとつの詩、二つの旋律が描く風景
音楽史上、これほどまでに競うように作曲され、かつ共に愛され続けている歌曲は珍しいでしょう。
文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが書いた詩「野ばら(Heidenröslein)」には、100人を超える作曲家が曲をつけたと言われています。その中でも双璧をなすのが、フランツ・シューベルトとハインリヒ・ウェルナーによる作品です。
今回の編曲では、ほぼ同時代を生き、共に30代半ばを待たずしてこの世を去った二人の天才による名曲を、シューベルトからウェルナーへと続くメドレー形式で構成しました。
瑞々しい躍動感「シューベルトの野ばら」
メドレーの幕を開けるのは、「歌曲の王」と称されるフランツ・シューベルトが、1815年にわずか18歳で書き上げた「野ばら」です。
この曲の最大の特徴は、ピアノ伴奏が示す軽快なリズムにあります。マンドリン属のピックによる歯切れの良いスタッカートは、野原を駆ける少年の足取りや、風に揺れる花びらの躍動感を鮮やかに描写します。シューベルト特有の転調の妙や、一瞬の陰りを見せる和声の変化は、オーケストラの合奏によってより立体的に響き渡ります。若々しいエネルギーに満ちた旋律が、会場を爽やかな空気で満たしていくことでしょう。
永遠の情景「ウェルナーの野ばら」
続いて登場するのは、シューベルトのわずか3年後に生まれ、やはり若くして世を去ったハインリヒ・ウェルナーによる「野ばら」です。
1829年に発表されたこの曲は、シューベルト版が劇的で瑞々しいのに対し、非常に素朴で、どこか懐かしさを感じさせる「民謡的」な佇まいを持っています。ここでの聴きどころは、マンドリンオーケストラの代名詞とも言える「トレモロ」です。シューベルトの軽快なリズムから一転、ウェルナーの旋律がしっとりと奏でられる瞬間、会場は温かな情愛に包まれます。ギターの穏やかなアルペジオに乗って、マンドリンやマンドラが語りかけるように歌い継いでいく様は、まさに言葉を超えた合唱のようです。
終わりに
「童は見たり、野なかの薔薇……」。 日本でも古くから親しまれてきたこの詩の世界観が、マンドリンの調べに乗って皆様の心に届くことを願っています。シューベルトが描いた一瞬の輝きから、ウェルナーが遺した永遠の安らぎへ。二つの才能が時空を超えて響き合う、美しい時間の移ろいをどうぞお楽しみください。
