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【準備中】 ​大正浪漫メドレー​

●マンドリン合奏版

大正期に生まれた流行歌や童謡の名旋律を集めたメドレー。

華やかな流行歌「カチューシャの唄」から始まり、哀愁の小唄、親しみ深い童謡を経て、「琵琶湖周航の歌」で堂々と締めくくる。大正ロマンの情緒と時代の空気を一つの物語として描く作品。

●演奏時間 8分 

●編成

1st Mandolin / 2nd Mandolin / Mandola / Mandocello / Contrabass / Guitar

●編曲者  森安浩司

●難易度  ★★

●曲目解説

① カチューシャの唄(1914)

② ゴンドラの唄(1915)

③ 宵待草(1912)

④ 籠の鳥(1922)

⑤ 砂山(1923)

⑥ 赤い靴(1922)

⑦ 七つの子(1921)

⑧ 船頭小唄(1921)

⑨ 青い眼の人形(1921)

⑩ 琵琶湖周航の歌(1917)

大正時代(1912〜1926)は、西洋文化と日本の伝統が混ざり合い、新しい大衆文化が花開いた時代であった。浅草オペラや新劇、レコードの普及などにより、流行歌や童謡が広く人々に親しまれ、現在まで歌い継がれる多くの名旋律が生まれている。本メドレーは、そうした大正期の音楽文化を象徴する作品を選び、時代の情緒を一つの音楽の流れとして構成したものである。

 

冒頭は、島村抱月の新劇『復活』の劇中歌として1914年に大流行した「カチューシャの唄」。日本最初の大ヒット流行歌とも言われるこの曲は、軽やかで印象的な旋律によって大正文化の幕開けを象徴する。続く「ゴンドラの唄」は、1915年に芸術座の劇中歌として生まれた名曲で、「命短し恋せよ乙女」の歌詞でも知られる。ワルツ風の優雅な旋律が、大正ロマンの雰囲気を色濃く伝える。

 

「宵待草」は竹久夢二の詩に多忠亮が曲を付けた抒情歌で、淡く幻想的な情景が広がる作品である。続く「籠の鳥」は1920年代を代表する流行歌で、叙情的な旋律が当時の歌謡の特徴をよく示している。

 

中盤には童謡を配置した。「砂山」は北原白秋の詩と中山晋平の作曲による名作で、静かな情景と日本的な抒情が美しい。「赤い靴」は野口雨情作詞、本居長世作曲による代表的童謡で、どこか切ない旋律が深い印象を残す。続く「七つの子」は同じく野口雨情の詩による親しみ深い童謡であり、温かい雰囲気でメドレーの流れを和らげる。

 

後半は再び流行歌へ戻る。「船頭小唄」は1921年に発表され、当時の社会に広く歌われた大ヒット曲である。哀愁を帯びた旋律は大正歌謡の代表格として知られる。そこから「青い眼の人形」へと移り、明るく軽やかな童謡によって音楽は再び光を取り戻す。

 

終曲は「琵琶湖周航の歌」。1917年に第三高等学校の学生歌として生まれたこの曲は、雄大で伸びやかな旋律を持ち、今も多くの人に愛唱されている。青春と旅情を感じさせるこの歌でメドレーを締めくくることで、大正時代の人々の夢や希望を象徴するフィナーレとしている。

 

こうして本作は、流行歌、童謡、学生歌という多彩なジャンルを通して、大正ロマンの世界を一つの音楽物語として描き出している。大正という時代の空気と、日本の近代大衆音楽の魅力を感じていただければ幸いである。

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