【準備中】 中央アジアの草原にて (ボロディン)
●マンドリン合奏版
ロシアの作曲家ボロディンによる交響詩「中央アジアの草原にて」を、マンドリン合奏のために編曲しました。広大な草原を進む隊商の情景と東西文化の交わりを、マンドリンならではの透明感ある響きで描き出します。原曲を省略せず演奏できる編曲です。
●演奏時間 約7分30秒
●編成
1st Mandolin / 2nd Mandolin / Mandola / Mandocello / Contrabass / Guitar
●作曲者 ボロディン(1833~1887)
●編曲者 森安浩司
●難易度 ★★
●紹介文
「中央アジアの草原にて」(原題:В Средней Азии)は、ロシアの作曲家 アレクサンドル・ボロディン(Alexander Borodin)によって1880年に作曲された交響詩です。ロシア帝国の中央アジア支配25周年を記念する祝典のために書かれた作品で、広大な草原の風景と、そこを往来する人々の姿を象徴的に描いた音楽として知られています。
この作品には、作曲者自身による簡潔な情景説明が添えられています。それによれば、中央アジアの果てしない草原の静寂の中を、ロシア軍の護衛に守られた東方の隊商が進んでいく情景が描かれます。遠くから聞こえてくるのはロシアの旋律と東洋的な旋律。それらはやがて重なり合い、広い大地の中でゆったりと響き渡りながら、再び遠ざかっていきます。
楽曲は、静かに広がる和声の上にロシア風の旋律が現れるところから始まります。この旋律は穏やかで広がりのある性格を持ち、草原の広大な空間を思わせるような落ち着いた表情を持っています。やがて、イングリッシュホルンによって東洋風の旋律が提示され、遠くからゆっくりと近づいてくる隊商の姿が音楽的に描かれていきます。二つの旋律は対照的でありながらも自然に溶け合い、東西の文化が交差する象徴的な情景を形づくります。
作品全体は劇的な展開よりも、ひとつの風景が静かに変化していくような叙景的な音楽です。長く保たれる和声、滑らかな旋律線、穏やかなリズムによって、時間がゆったりと流れるような独特の雰囲気が生み出されています。この静かな広がりと旋律の美しさこそが、この作品の大きな魅力と言えるでしょう。
本編曲では、この原曲のもつ広がりと透明感をマンドリン合奏の響きによって表現することを目指しました。トレモロによる持続音は弦楽オーケストラの柔らかな響きを思わせ、マンドリンやマンドラは旋律の歌心を繊細に描き出します。また、マンドロンチェロやギターの低音は大地の安定感を支える役割を担い、音楽全体に落ち着いた広がりを与えています。
