【販売中】 展覧会の絵ファンタジー (ムソルグスキー)
●マンドリン合奏版 スコア・パート譜セット
本曲の原曲はムソルグスキーが作曲したピアノ組曲「展覧会の絵」です。
編曲にあたってはピアノ組曲を参考にしました。ラヴェルの編曲によるオーケストラ版も有名ですが、両者はやや趣を異にしています。
このファンタジーは原曲の絵の印象を描いた10曲とプロムナード5曲の中から、プロムナード(2種類)、古城、牛車、鶏の足の上の小屋、キエフの大門を取り上げました。
管楽器は使用していません。
●演奏時間 約13分
●編成
1st Mandolin / 2nd Mandolin / Mandola / Mandocello / Contrabass / Guitar
●作曲者 ムソルグスキー(1839~1881)
●編曲者 森安浩司
●難易度 ★★★
●紹介文
本曲は、ロシアの作曲家 モデスト・ムソルグスキー(Модест Петрович Мусоргский, 1839–1881)が作曲したピアノ組曲《展覧会の絵》を原曲とするファンタジー作品です。原曲は、画家ヴィクトル・ハルトマンの遺作展を訪れた作曲者自身の印象をもとに書かれており、「プロムナード」と呼ばれる歩行の音楽を挟みながら、各絵画の情景が次々と描かれていきます。
《展覧会の絵》は後に モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875–1937)によって管弦楽編曲され、華麗な色彩と緻密なオーケストレーションによって広く知られるようになりました。しかしラヴェル版は、近代フランス音楽の洗練された響きが前面に出ており、ムソルグスキーの原曲が持つ素朴で荒々しいロシア的な性格とは、やや異なる趣を持っています。
本ファンタジーでは、そのような観点からピアノ原曲の音楽的本質に重きを置き、独自の構成によって再構築されています。全曲の中から選ばれているのは、「プロムナード」2曲、「古城」「牛車」「鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤーガ)」「キエフの大門」の計6場面です。これらは作品全体の中でも特に対照的な性格を持ち、静と動、内省と躍動、幻想と壮麗といった多様な要素を内包しています。
冒頭のプロムナードは、展覧会を巡る作曲者自身の姿を象徴する主題として提示され、作品全体を貫く精神的な軸となります。続く「古城」では、中世の廃城を前にした哀愁と静謐な空気が漂い、旋律の持つ歌謡性が深く心に響きます。「牛車」では重々しいリズムが印象的で、遠くから近づき再び遠ざかっていく動きが巧みに描かれています。
後半では一転して劇的な展開となり、「鶏の足の上の小屋」ではロシアの民話に登場する魔女バーバ・ヤーガの狂騒的な世界が描かれます。激しいリズムと鋭い音型が、聴く者に強烈な印象を与える場面です。そして終曲「キエフの大門」では、壮大で輝かしい音響の中にロシア的な荘厳さが表現され、作品は堂々たるクライマックスを迎えます。
このように本ファンタジーは、原曲の持つ多彩な表情を凝縮しつつ、マンドリン合奏という編成の特性を活かして再構成されたものです。各場面のコントラストと流れを重視しながら、一つの大きな物語として聴かれるよう工夫されています。ムソルグスキーの独創的な音楽世界を新たな響きで描き出す試みとして、演奏者・聴衆の双方に新鮮な体験をもたらすことでしょう。
