【準備中】 クシコスポスト (ネッケ)
●マンドリン合奏版
ドイツの作曲家ネッケによる運動会の定番曲を、マンドリンオーケストラのために編曲。マンドリンの軽快な刻みと、疾走感あふれる旋律が織りなす響きは圧巻です。誰もが知る名曲を、新しい色彩でお楽しみください。
●演奏時間 約3分
●編成
1st Mandolin / 2nd Mandolin / Mandola / Mandocello / Mandolone / Contrabass / Guitar
●作曲者 ヘルマン・ネッケ(1850~1912)
●編曲者 森安浩司
●難易度 ★
●紹介文
郵便馬車が駆け抜ける、躍動のメロディ
「クシコスポスト(Csikós Post)」という名を聞いてピンと来なくても、冒頭の軽快なメロディを耳にすれば、誰もが「ああ、あの曲か!」と膝を打つことでしょう。日本では「天国と地獄」と並び、運動会の徒競走を彩るBGMとしてあまりにも有名ですが、この曲のルーツは19世紀後半のドイツにあります。
作曲者ヘルマン・ネッケと「クシコス」の正体
作曲者はドイツの音楽家、ヘルマン・ネッケ(1850–1912)。彼は多くのピアノ小品を残しましたが、今日世界的に演奏されているのはこの「クシコスポスト」がほとんどです。
曲名の「クシコス(Csikós)」とは、ハンガリー語で「馬を操る牧童(カウボーイ)」を意味します。また「ポスト」は「郵便」や「伝令」を指すため、直訳すれば**「ハンガリーの郵便馬車」**といったニュアンスになります。当時のハンガリーの平原を、馬を駆って颯爽と駆け抜ける郵便配達員の姿を描写した、ギャロップ形式のピアノ曲として1887年頃に発表されました。
楽曲の構造と聴きどころ
曲は典型的な三部形式(A-B-A)で構成されています。
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主部(A): 馬の蹄の音を思わせる軽快なリズムに乗って、ト短調の哀愁漂う、しかし力強い旋律が奏でられます。マンドリンオーケストラにおいては、ピックによる鋭いアタックがこの「疾走感」を際立たせるでしょう。
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中間部(B): 変ロ長調に転じ、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」を彷彿とさせるような、華やかで情熱的な旋律が登場します。マンドリンやドラのトレモロが重なり合うことで、ピアノ版にはないオーケストラとしての厚みが加わります。
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マンドリンオーケストラで奏でる意義
今回、マンドリンオーケストラ用に編曲されたことで、原曲の持つ「歯切れの良さ」と「叙情性」の両面がより鮮明になります。高音域のキラキラとした撥音は馬の鈴の音のように響き、マンドロンチェロやコントラバスのピチカートは力強く地面を蹴る馬の足音を再現します。
聴衆にとっては「懐かしい運動会の思い出」を呼び起こすと同時に、マンドリンという楽器が持つ繊細かつダイナミックな表現力を再発見する機会となるはずです。風を切って走る馬車のように、最後まで一気に駆け抜けるアンサンブルの妙をお楽しみください。
